夜のニュースで、中学3年生を対象とした英語テストの結果が惨憺たるものだったという報道をしていました。
「彼女はローマに住んでいます」という日本語を英語にしなさいという設問で、「She lives in Rome.」と解答できたのは三分の一だったそうです。
三単現の S が抜けることを随分と問題視しているようですが、これって語学力向上の最優先課題なのでしょうか?
ワンセンテンスを正しく表現できるかどうかのテストだけで、語学力を評価してしまうのでしょうか?
学習指導要領はコミュニケーションを取れる英語力を目標に掲げているようですが、ワンセンテンスごとに×を付けられる勉強って、チョーつまらない。
私は英語を使って仕事をしてきたと自負するオジサマ達と数多く接してきましたが、その方々は細かいことを気にしません。
三単現どころか、時制も前置詞も滅茶苦茶で、カタカナ英語を駆使する方々の何と多かったことか。。。
でも、百戦錬磨のオジサマ達は、怯むことなく会話を仕掛けてコミュニケーションを取って、仕事を進めていました。
そうです。自分の言いたいことを表現する訓練を積み重ねていけば、グローバルな場所で生きていけるんです。
だから、若者の皆さん、ご安心ください。学校の英語学習で成績が悪くても、そんなのまったく関係ねぇ!
私も、高校時代に英語のテストで赤点取ったことあるもんね。(自慢にもならない (T_T))
「主語が三人称で単数で、現在のことを表すときは、動詞に S を付ける」と文法で習ってから機械的に解答できなくてもいいんです。
英語の本を読んだり、ドラマを見たりして、生の英語に接する機会を増やしたほうが、どれほど効果的か!
私の経験では、相当量(数百時間)のリーディングとリスニングを経た後に初めて、文法的に正しい文書を意識せずに作れるようになりました。そうなると、他人の作った文章を見たり聞いたりしても、「ここで三単現になっていないと気持ち悪い」とか、「時制がおかしいから話についていくのが大変」とか、感じるようになりました。
中学の3年間で、短編小説を読む機会はあるのでしょうか?
映画やドラマを使って生の英語に接する機会は、どれほどあるのでしょうか?
ALTのサポートがあると言っても、生徒一人一人に接する時間は限られています。
それより、学習者が自発的に英語に浸れる教材を用意するほうが先決だと思います。
今年は、Mary Poppins returns や Aladdin の実写版もあって、親子揃って楽しめますよ~。